2017年7月_朝日新聞掲載句12句「火の玉」
「火の玉」 早乙女の降り立つ泥の歓喜かな 田の水の香に誘はれて鯰来る 泥の神鯰となつてをられしか 底なしの心にひそむ大鯰 鯰は知つてゐる国の造り方 また泥の煙と消えし鯰かな 白桃や一夜の霧に包まれて 太陽の君さながらに桃...
「火の玉」 早乙女の降り立つ泥の歓喜かな 田の水の香に誘はれて鯰来る 泥の神鯰となつてをられしか 底なしの心にひそむ大鯰 鯰は知つてゐる国の造り方 また泥の煙と消えし鯰かな 白桃や一夜の霧に包まれて 太陽の君さながらに桃...
早乙女(さをとめ)とは、田植ゑをする女性のことですから、夏の季語です。頭の「サ」は、神様のことらしいです。さくらの「さ」も同じで、ちょうど田植ゑの時期に人々が豊作を祈る、その祈りの対象を表すのだそうです。さらに言うと、そ...