このところこの世まかせや草の餅 飴山實

この句は「この世」への複雑な心をそのまま詠んでいるのだろう。「この世まかせ」を否定するのでも、また執着しているのでもない。両義的なのである。それは、どこか『草枕』を書いた漱石を思わせる。下五に「草の餅」が静かに添えられることで、ユーモラスな印象を残している。

※古志HPの「今日の一句」の4月13日掲載分です。

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