送行のひとりは雲を見上げをり 飴山實

送行(そうあん)とは、夏の修行を終えた僧たちが寺を去ること。その修行は夏安居(げあんご)や雨安居(うあんご)と呼ばれ、解夏(げげ)に明ける。ひと夏の間こもっていた寺を出て、山を下りる僧たち。そのうちのひとりが雲を見上げている。その雲は、その僧の心のように澄み切った初秋の空の上に浮んでいるはずだ。

※古志HPの「今日の一句」の8月9日掲載分です。

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