乾坤に生きもののこゑ初手水 飴山實

通常、人の耳が聞く声は、鳥や犬や人など特定の何かの声である。しかし、この句は違う。「生きもののこゑ」なのである。それを聞く「耳」は、どこか遠く、次元の異なるところから聞いているように思える。「初手水」と響き合うことで、生と死をこえた清らかな場所へ読者の耳をいざなうかのようである。

※古志HPの「今日の一句」の1月6日掲載分です。

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