青竹に空揺すらるゝ大暑かな 飴山實

すっかり古い葉も散りきって、さっぱりした姿の青々とした竹が空に向かってまっすぐ高くのびている。見上げるだけでも、くらっとしそうな高さなのでしょう。もちろん、高さだけでなく、そこには目の前がくらくらするような真夏の暑さがある。そこに、まるで救いの神のような風が吹いてくるわけです。竹に空がゆすられるというのが、たんなる比喩ではないように感じられます。さらに言えば、「大暑かな」の切れが大きい。大暑と言いきって、涼しさを感じさせる。これが俳句だと思います。笹の葉の揺れる音まで聞こえてきます。

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