方丈の大庇より春の蝶 高野素十
竜安寺と前書きがある。方丈とは寺院の建物のこと。この句はさまざまな読みができる。例えば、この句を三次元のパースの中においてみれば、方丈の大庇のゆったりとした流線と、蝶の不規則に上下する小刻みな曲線が奏でる音楽のようにも見...
竜安寺と前書きがある。方丈とは寺院の建物のこと。この句はさまざまな読みができる。例えば、この句を三次元のパースの中においてみれば、方丈の大庇のゆったりとした流線と、蝶の不規則に上下する小刻みな曲線が奏でる音楽のようにも見...
この句の特徴を一つ指摘したいと思います。それはこの句が「対句」であるということです。つまり、対句はことわざや、とりわけ漢詩によく見られる、二つで一組の韻文形式です。つまり、語呂の近い言葉を対にして並べるわけです。もちろん...