戦せぬ紙の兜のめでたしや 長谷川櫂
端午の節句のとき、新聞紙か何かで折った兜であろう。この紙の兜は飾りである。それをかぶっても、実際に刀で切りかかられたら、ひとたまりもない。紙の兜をかぶって、戦場に出ていくものはいない。だから「戦せぬ」なのだ。 この「紙の...
端午の節句のとき、新聞紙か何かで折った兜であろう。この紙の兜は飾りである。それをかぶっても、実際に刀で切りかかられたら、ひとたまりもない。紙の兜をかぶって、戦場に出ていくものはいない。だから「戦せぬ」なのだ。 この「紙の...
太陽の描写する場合、たいていは「のぼりゆく」や「わたりゆく」。気象や天文など科学的な分野では、軌道を表す際に、太陽が通る、通過する、ということはあるが、俳句ではめずらしい使い方ではないだろうか。 「のぼる」や「わたる」だ...
淡海の章に収録された一句。淡海は琵琶湖の古称。私はまだ行ったことがないので、琵琶湖はまだ想像上の場所である。 琵琶湖では、びわこ虫と呼ばれる小さな虫が大量発生することがあるらしい。正式にはオオユスリカという。掲句の蚊柱も...