花売の一桶はみな芒かな 長谷川櫂

一桶をすべて芒が占めている。ほかの桶は秋の草花がいくつか組み合わさって売られているのだろう。その中でひときわ輝いている芒の存在感が伝わってくる。芒を売り買いする人々の声も聞こえてきそうである。ひょっとすると、この作者は桶ごと芒を買うつもりなのかもしれない。芒がよく売れるとき、それは月がいちだんと美しいとき。月見に心が誘われる。

※古志HPの「今日の一句」の9月7日掲載分です。

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