秋風の隠岐をたちしが年の暮 長谷川櫂

隠岐は中国地方山陰にある島で、佐渡と同じくかつては配流地であった。後鳥羽上皇や後醍醐天皇が流されたことでも知られる。その島をたった秋風が、年も暮れる今頃になって吹き届いたというのだから面白い。この句には前書きがある。すなはち、「九月に宅急便に託されし丸谷才一著『後鳥羽上皇第二版』がめぐりめぐりて年も行かんとするころに届く」。

※古志HPの「今日の一句」の12月26日掲載分です。

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