金魚屋のとどまるところ濡れにけり 飴山實
夏の昼下がり、道端のひとつところが濡れている。ひと休みしたのか、ひと商売すましたのか、金魚売がやってきたところはかならず水に濡れている。かつて、金魚売は水をはった木桶に金魚を入れ、それを二つ天秤棒にさげて売り歩いた。その...
夏の昼下がり、道端のひとつところが濡れている。ひと休みしたのか、ひと商売すましたのか、金魚売がやってきたところはかならず水に濡れている。かつて、金魚売は水をはった木桶に金魚を入れ、それを二つ天秤棒にさげて売り歩いた。その...