無為にして海鼠一萬八千歳  正岡子規

無為とは、人為的なところがないということで、何もしていないということではない。老子のいう「無為自然」とは、あるがままに、自然の本性にまかせれば、自ずと為すべきことを為すということである。生態学的には、海鼠は海底に積もる有機物を摂取し、海水の浄化をおこなっているそうだ。いわば自然の浄化装置である。ただ、それも人が知り得る範囲での海鼠にすぎない。ちなみに、この句の一万八千歳とは、天地ができてから今までという神話的な時間であろう。海鼠の寿命はせいぜい十年だそうだ。
出典:『子規句集』

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