しづかなるいちにちなりし障子かな 長谷川素逝

一日という日常の時間を、この聖域と言ってもいい静かさの空間に変えるには、障子一枚の薄さでことたりる。障子を通して入ってくる外界の音は静寂のざわめきに変換される。また、そこに広がるやわらかな光は、心のぬくもりそのものとなる。ところで、私は一日家にいるだけでも退屈でしかたがない。とてもこのような境地には至れない。
出典:『暦日』

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