あたたかき深き空洞の炬燵かな 松本たかし

空洞には「うつろ」とルビがある。空洞とは何もないということではない。たとえば、うつほ物語の洞窟や琴がそうだろうし、竹取物語でかぐや姫の出てくる「竹」、桃太郎の出てくる「桃」もそうかもしれない。つまり、なにかが生まれ出てくるところである。この句が面白いのは、それが炬燵だからである。
出典:『松本たかし句集』

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