矢島渚男句集『野菊のうた』
矢島渚男句集『野菊のうた』は、句集『翼の上に』『延年』『百済野』のからの句抄です。波郷と楸邨、両系譜をひく渚男の世界に一気に引き込まれました。とりあわせの句に特に惹かれました。 『翼の上に』 鵯や食後の氷啄める シャーベ...
矢島渚男句集『野菊のうた』は、句集『翼の上に』『延年』『百済野』のからの句抄です。波郷と楸邨、両系譜をひく渚男の世界に一気に引き込まれました。とりあわせの句に特に惹かれました。 『翼の上に』 鵯や食後の氷啄める シャーベ...
長谷川素逝は、昭十二年、砲兵将校として召集され、支那事変いわゆる日中戦争を戦地で戦います。翌年、病(結核)を発症して内地送還となります。帰国後、中国大陸で詠んだ俳句をまとめます。それが句集『砲車』です。 この句集、異例な...
金子兜太さんの御宅にうかがったことがあります。今から六年前、兜太さんが九十四歳のときです。雑誌の取材にかこつけて、さまざまな問いを投げまくりました。今思えば、無謀というか、無遠慮というか。この若造め、と思われていたかもし...
古書で句集を買うと、たまに句の上に印の付いているものがありますが、これは前の読者が選をした跡です。どこか心を打つものがあった印です。この連載は、普段はプライベートな「選」をあえて誰かと共有してみようというものです。 そも...
五月五日、神奈川近代文学館にて、きごさい主催のイベント「HAIKU+ 今何が問題か」が開催されました。俳句における批評の復活を目的とされたイベントで、気鋭の俳人四名がそれぞれの立場から問題提起を行ないました。以下は、その...