句集『鶯』をよむ
句集『鶯』は、長谷川櫂の第十句集にあたる。あとがきの日付をみると、二〇一一年の立春とある。句集の刊行は、五月三〇日である。その間に三・一一、東日本大震災が起こっている。おそらく、四月に刊行となった『震災歌集』の制作のた…
句集『鶯』は、長谷川櫂の第十句集にあたる。あとがきの日付をみると、二〇一一年の立春とある。句集の刊行は、五月三〇日である。その間に三・一一、東日本大震災が起こっている。おそらく、四月に刊行となった『震災歌集』の制作のた…
ぽつねんと夜空に浮かぶ月をしばらく見ていると、不思議な気持ちになることがあります。それは、月が不思議なものに見えるということではありません。あの月が存在するように、この地球が存在し、そしてこの私も存在している。そのこと自…
五月五日、神奈川近代文学館にて、きごさい主催のイベント「HAIKU+ 今何が問題か」が開催されました。俳句における批評の復活を目的とされたイベントで、気鋭の俳人四名がそれぞれの立場から問題提起を行ないました。以下は、その…
小林秀雄は晩年、現代の若者たちに向かって、ソメイヨシノとは桜の中でも一番低級な桜だと語ったことがあります。日本で花といえば桜、桜といえばソメイヨシノではなく、ヤマザクラなのだと言いました。たしかに、その通りです。ソメイヨ…
<前編から続き> ―――日本語の音は無表情ですが、逆に文字は漢字、ひらがな、カタカナと多彩です。リズムと文字表記の関係はどうでしょうか? 複雑に絡み付いている。我々は漢字で「大仏」と書くけど、子どもは「だいぶつ」とひらが…
*2013年12月、某雑誌の特集「日本語の居場所」というテーマで、金子兜太さんにインタビューをさせていただきました。一部ですが、以下はそのときの内容を書き起こしたものです。 ―――日本語の居場所がなくなる危機。この問題は…