俳句はネット社会を生き抜けるか(1)
ネット社会の諸問題 インターネットの先駆け的な役割を果たしたとされる、『Whole Earth Catalogue』という雑誌がある。その名の通り、地球全体のカタログである。カタログと言っても、商品だけでなく、地球の情報...
ネット社会の諸問題 インターネットの先駆け的な役割を果たしたとされる、『Whole Earth Catalogue』という雑誌がある。その名の通り、地球全体のカタログである。カタログと言っても、商品だけでなく、地球の情報...
大きな濤の音が聞こえている。現実に起きていることは、ただそれだけである。 蓬萊とは古代中国の伝説の山である。東の海上にあり、不老不死の薬を持つ仙人が住むと言われた。濤の音を聴いて、作者は蓬萊を思い浮かべた。いや、蓬萊にい...
暇と退屈は違うのだそうだ。國分巧一郎によれば、暇とは、やることがなく空いてしまっている時間のことであり、退屈とは、やるべきことがないときの負の感情のこと。だから、暇であっても退屈が生じない充実した状態もあるし、暇はないの...
陀羅尼助(だらすけ)は腹痛の薬。大峯山の山伏たちが広めたとされる、古くからある薬で、元禄の頃に商品化されたらしい。苦さが特徴で、〈だらすけは腹よりはまず顔にきき〉という川柳ものこっている。 掲句は、蟇が陀羅尼助を売ってい...
2011年3月11日、東日本大震災が起きた。文字通り、天地は一変し、人の暮らしも一変せざるを得なくなった。この変わりゆく世界を悲しみつつも、この世の無常を受け入れ、それでも前に進もうという力を感じる一句。 この句において...
端午の節句のとき、新聞紙か何かで折った兜であろう。この紙の兜は飾りである。それをかぶっても、実際に刀で切りかかられたら、ひとたまりもない。紙の兜をかぶって、戦場に出ていくものはいない。だから「戦せぬ」なのだ。 この「紙の...
太陽の描写する場合、たいていは「のぼりゆく」や「わたりゆく」。気象や天文など科学的な分野では、軌道を表す際に、太陽が通る、通過する、ということはあるが、俳句ではめずらしい使い方ではないだろうか。 「のぼる」や「わたる」だ...