地の底の赤きが見ゆる枯野かな 長谷川櫂
地球の内部は、地殻、マントル、核と中心に近づくにつれて高温になる。核は溶けた鉄の塊。その温度は6000度にもなるという。マントルは岩石の層で、核に熱せられ、地殻付近では冷され、内側から外側へ、外側から内側へゆっくり対流し…
地球の内部は、地殻、マントル、核と中心に近づくにつれて高温になる。核は溶けた鉄の塊。その温度は6000度にもなるという。マントルは岩石の層で、核に熱せられ、地殻付近では冷され、内側から外側へ、外側から内側へゆっくり対流し…
古来大氾濫を繰り返してきた川沿いの村。流されてもまた村を築き、築いてはまた流される。月もまた欠けては満ち、満ちては欠けてゆく。再生=よみがえりの象徴である。永遠は死と生の循環の中にある。 ある夜、月見草をみながら、そんな…
落椿の蕊のなかから、蜜をむさぼったものの顔があらわれる。その口は金色の花粉にまみれている。蜂か虻のたぐいであろうか。 椿は虫や鳥を媒介して受粉を行う。椿のような植物の生命において、おそらく受粉(送粉)は、最も重要な営みで…
一読すると瑞々しい世界を想像するが、再度読み直すと、聖セバスチャンの殉教図が思い浮かんできた。それは、有名なイタリア・バロック期のグイド・レーニの聖セバスチャン図だ。 グイド・レーニの聖セバスチャン図は、腰衣一枚の裸の青…
われわれは歴史を語ることはできるが、その正しさを証明することは不可能だ。なぜなら、われわれはその歴史の中にいるから。まして俳句はその短さ故、語ることすらむずかしい。 俳句は読み手との対話にひらかれている。だからこそ、つね…
ネット社会で失われつつあるもの インターネットは進化の途中にある。ブロックチェーン、NFT、メタバース、そしてAIといったWeb3.0時代に入ろうとしている。これまでの常識では測れない問題がまだまだ起きてくるだろう。これ…
ネット社会の大衆の姿 ネット社会において、自分に都合のいい他者の意見に熱狂し、それに反する意見を攻撃し、排除しようとする個人の姿は、かつて丸山眞男が「私化」と「原子化」と呼んだ個人の姿にどこか似ている。 丸山眞男は、「個…