一茶と情

先だって、吟行で一茶にゆかりのある炎天寺へ行った。それ機会に、岩波文庫の『一茶俳句集』、加藤楸邨の『一茶秀句』、『金子兜太集第二巻』の一茶の評伝と俳句鑑賞を読んでみた。いろいろと思うところが多すぎて、整理できていないが、...

鈴木大拙の講演

鈴木大拙(1870〜1966)は、西田幾多郎と同級生。正岡子規や夏目漱石と三つしか違わない人の声が聞けるとは驚きです。 大拙は言わずと知れた、禅を中心とした東洋の原理を、西洋に知らしめた人です。漱石は英国ですが、大拙は米...

吉田修一『悪人』を読んで

冒頭を読むと、書き手の視点が少し厭味に感じられるかもしれない。しかし、読み進めればたちまち、その印象ががらりと変わってくる。まるで透明人間となって、さまざまな人間のかたわらに寄り添い、その言葉にならない複雑な心の声を聞き...