漱石の俳句(2)木瓜咲くや漱石拙を守るべく
漱石の俳句でもっとも有名なのは、明治三〇年、熊本時代の次の句ではないでしょうか。 木瓜咲くや漱石拙を守るべく この句は、陶淵明の詩「帰園田居」に出てくる「守拙帰園田」(拙を守って園田に帰る)が下敷きにされています。陶淵...
漱石の俳句でもっとも有名なのは、明治三〇年、熊本時代の次の句ではないでしょうか。 木瓜咲くや漱石拙を守るべく この句は、陶淵明の詩「帰園田居」に出てくる「守拙帰園田」(拙を守って園田に帰る)が下敷きにされています。陶淵...
現存する漱石の俳句は二千五百句あまり。子規の俳句と比べるとその一割もありません。そのうち明治二八年から明治三三年までの約六年間に詠まれた句は千七百以上におよび、全体の七割を占めています。すなわち、漱石が松山中学校の英語教...