俳句はネット社会を生き抜けるか(2)
ネット社会の大衆の姿 ネット社会において、自分に都合のいい他者の意見に熱狂し、それに反する意見を攻撃し、排除しようとする個人の姿は、かつて丸山眞男が「私化」と「原子化」と呼んだ個人の姿にどこか似ている。 丸山眞男は、「個…
ネット社会の大衆の姿 ネット社会において、自分に都合のいい他者の意見に熱狂し、それに反する意見を攻撃し、排除しようとする個人の姿は、かつて丸山眞男が「私化」と「原子化」と呼んだ個人の姿にどこか似ている。 丸山眞男は、「個…
ネット社会の諸問題 インターネットの先駆け的な役割を果たしたとされる、『Whole Earth Catalogue』という雑誌がある。その名の通り、地球全体のカタログである。カタログと言っても、商品だけでなく、地球の情報…
大きな濤の音が聞こえている。現実に起きていることは、ただそれだけである。 蓬萊とは古代中国の伝説の山である。東の海上にあり、不老不死の薬を持つ仙人が住むと言われた。濤の音を聴いて、作者は蓬萊を思い浮かべた。いや、蓬萊にい…
暇と退屈は違うのだそうだ。國分巧一郎によれば、暇とは、やることがなく空いてしまっている時間のことであり、退屈とは、やるべきことがないときの負の感情のこと。だから、暇であっても退屈が生じない充実した状態もあるし、暇はないの…
陀羅尼助(だらすけ)は腹痛の薬。大峯山の山伏たちが広めたとされる、古くからある薬で、元禄の頃に商品化されたらしい。苦さが特徴で、〈だらすけは腹よりはまず顔にきき〉という川柳ものこっている。 掲句は、蟇が陀羅尼助を売ってい…
2011年3月11日、東日本大震災が起きた。文字通り、天地は一変し、人の暮らしも一変せざるを得なくなった。この変わりゆく世界を悲しみつつも、この世の無常を受け入れ、それでも前に進もうという力を感じる一句。 この句において…
端午の節句のとき、新聞紙か何かで折った兜であろう。この紙の兜は飾りである。それをかぶっても、実際に刀で切りかかられたら、ひとたまりもない。紙の兜をかぶって、戦場に出ていくものはいない。だから「戦せぬ」なのだ。 この「紙の…