迎鐘土の底よりきこゆなり 長谷川櫂
あの世は地の底にあるのだろうか。幼少のころ、祖母が家のまえて迎え火を焚いていた様子をおぼろげながら記憶している。その時の感覚では、明らかに空から来る感じであった。日本の固有信仰では死者の霊は裏山に集まり、やがて祖霊として...
あの世は地の底にあるのだろうか。幼少のころ、祖母が家のまえて迎え火を焚いていた様子をおぼろげながら記憶している。その時の感覚では、明らかに空から来る感じであった。日本の固有信仰では死者の霊は裏山に集まり、やがて祖霊として...
釘箱を開けるとなかの釘がことごとく赤く錆びついていたのだろう。釘箱の外に広がる世界も、同様に真っ赤に染まっている。釘の赤がさらにあざやかにみえてくる。 また掲句を音にしてとらえなおすと、「KUGIBAKO NO KUGI...
最後がもし「ありけり」であれば、むかし戦争があったそうだということになるが、この句は「ありにけり」。つまり、そこに戦争があった、そのことにいま気づいたということである。 しかも、この句は「しんと」戦争があったという。戦争...