高橋睦郎句集『十年』
十年といっても、さまざまな十年があるものです。十年という単位に意味があるわけではないですが、区切ってみることで見えてくるものがあるから不思議です。 今回は、高橋睦郎さんの句集『十年』から二十句を選ばせていただきました。句...
十年といっても、さまざまな十年があるものです。十年という単位に意味があるわけではないですが、区切ってみることで見えてくるものがあるから不思議です。 今回は、高橋睦郎さんの句集『十年』から二十句を選ばせていただきました。句...
愁いの秋も深まってきました。そんなときは星空でも眺めて、ぼーっとしたいところです。しかし、この秋は雨の日が多く、星空どころか、月さへあまり見られませんでした。だからというわけではないですが、今回は大峯あきらさんの自選句集...
野見山朱鳥は、1917年生まれ(兜太さんの2歳上)で、1970年の2月26日に亡くなっています(享年52歳)。1970年といえば、三島由紀夫の死んだ年です。どちらも夭折ですが、随分異なります。朱鳥は生涯の三分の一は病床に...
平成二年発行の『橋本鶏二全句集』には十冊の句集が収められています。今週は『年輪』『松囃子』『山旅波旅』『鷹の胸』の四句集の選句にとどめます。 『年輪』 渋搗の渋がはねたる柱かな 荒々しさのあと。 『松囃子』 烏蝶追ふ少年...
矢島渚男句集『野菊のうた』は、句集『翼の上に』『延年』『百済野』のからの句抄です。波郷と楸邨、両系譜をひく渚男の世界に一気に引き込まれました。とりあわせの句に特に惹かれました。 『翼の上に』 鵯や食後の氷啄める シャーベ...
長谷川素逝は、昭十二年、砲兵将校として召集され、支那事変いわゆる日中戦争を戦地で戦います。翌年、病(結核)を発症して内地送還となります。帰国後、中国大陸で詠んだ俳句をまとめます。それが句集『砲車』です。 この句集、異例な...
金子兜太さんの御宅にうかがったことがあります。今から六年前、兜太さんが九十四歳のときです。雑誌の取材にかこつけて、さまざまな問いを投げまくりました。今思えば、無謀というか、無遠慮というか。この若造め、と思われていたかもし...