丸くして四角なるもの富有柿 長谷川櫂
富有柿(ふゆうがき)は岐阜産の扁平にして大粒な甘柿。たしかに言われてみれば、その形は丸くもあり、四角くもある。世界の矛盾を引き受けたかのような、その柿の両義的な形を興がる一句。 ※古志HPの「今日の一句」の10月27日掲...
富有柿(ふゆうがき)は岐阜産の扁平にして大粒な甘柿。たしかに言われてみれば、その形は丸くもあり、四角くもある。世界の矛盾を引き受けたかのような、その柿の両義的な形を興がる一句。 ※古志HPの「今日の一句」の10月27日掲...
BSのNHKの番組「100年インタビュー」に、金子兜太が出ていた。心に残る言葉がたくさんあったが、あえてひとつ記すなら、この言葉だ。 人間も蛙とおんなじですな。 金子兜太は痛風を患ったそうだが、これはそのときのエピソード...
秋の潮は満ち引きが激しい。「あきつしま」とは、日本の本州の古名。秋津洲(島)や蜻蛉州とも書く。日本はその国土の三分の二を山林が覆い、三六〇度を海に囲まれた島国である。平地は、その弓なりの国土の輪郭線程度にしかない。それを...
笯(ど)とは、魚を捕るための仕掛けで、筌(うえ)ともいう。筒状や徳利状に竹を編み、その口に返しをつけて、入った魚が出られないようにしている。朝霧の静けさの中、この竹網の仕掛けが水面に返される。おそらく目前は霧だけであって...
この句には、「法然院、谷崎潤一郎、松子夫人の墓所」と前書きがある。この墓所には大きな鞍馬石が二つおかれており、その間には枝垂桜が一本植えられているという。左の石が谷崎夫妻の墓で、右の石は松子夫人の親族の墓。石には左が「寂...
昨夜、金子兜太の最新句集『日常』を読みなおしていて、ふと出くわした一句です。『日常』には、もっと圧倒的に心を打つ句がたくさん入っています。どちらかと言えば、この句は目立たないほうの句かもしれません。しかし、この句はなぜか...
前書きから、「その声」の持ち主が安東次男氏であることがわかる。この句は、安東氏の持病である肺気腫が快方に向かったという知らせを聞いて、その返事に詠まれた句のうちの一つ。秋風は日の衰えを感じさせるものであるが、この句は、そ...