藻の香してすなはち鮎をたうべけり 飴山實
鮎は水中の岩について藻類を食べる。その鮎を食べたあとに、藻の香りがのこっている。それは岩魚でも鱒でもなく、まがうことなく鮎を食べたということ。食べるということは、食物連鎖の中にあるということでもあるのだ。 ※古志HPの「...
鮎は水中の岩について藻類を食べる。その鮎を食べたあとに、藻の香りがのこっている。それは岩魚でも鱒でもなく、まがうことなく鮎を食べたということ。食べるということは、食物連鎖の中にあるということでもあるのだ。 ※古志HPの「...
「てにをは」の使い方の見本のような一句。飴煮(甘露煮)は日本古来の保存食。鮴(ごり)とは、沙魚に似て、細身な体の割りに鰭が大きい。この句で、鮴は味だけでなく、その姿を堪能させる魚だというのである。鮴の命の形にも思えてくる...
蟇の「鼻」と藻の「花」が水面で出くわしている。その出来事を詠んでいるだけなのだが、どこか生きもの同士の交流をユーモラスに描いているようでもある。不思議とアニミズム的な世界に引き込まれる感じがある。 ※古志HPの「今日の一...
上五の「この山」とは、大阪と京都の間にある山崎蒸溜所のことであろう。山崎はその水が万葉集に歌われていることでも知られる。椎も万葉集の歌に出てくる日本古来の樹木である。その山の風土を呼吸しつつ、遠い国に根を持つはずのウィス...
田植えの活気や、またそのたいへんさが伝わってくる一句。田んぼを出るたびに、その土をつけた足が跡をつける。それがまだ乾くまもなく、また別の足跡がつく。田植えが終ってみれば、田植えのはげしさをのこしたまま、その足跡が乾きかた...
端午の節句に食べる粽(ちまき)。この風習は、中国の詩人屈原の物語に由来する。昔は茅萱(ちがや)の葉でくるんだため、茅巻きとも書く。今は、餅やもち米などを笹にくるみ、藁などで結わいて蒸す。笹にくるんだ餅が水分を吸って膨らむ...
作者の代表作のひとつに挙げられる句であるが、なぜか句集におさめられていない。さまざまな解釈がありそうな句であるが、私がこの句を読んだときに、とっさに思い当たったのが、「鶴の恩返し」という話である。もちろん、これは日本人な...