草間時彦句集『盆点前』『瀧の音』
新年早々、食あたりで寝込みました。下痢と嘔吐、そのあとは高熱。こんな寝正月、生まれて初めてです。これは、もう生き方を改めよという神の啓示でしょうか。食べることの恐ろしさを感じた、こんな年明けにふさわしい俳人は、この人しか…
新年早々、食あたりで寝込みました。下痢と嘔吐、そのあとは高熱。こんな寝正月、生まれて初めてです。これは、もう生き方を改めよという神の啓示でしょうか。食べることの恐ろしさを感じた、こんな年明けにふさわしい俳人は、この人しか…
後藤比奈夫さんの句集『白寿』(2016年)『あんこーる』(2017年)『喝采』(2019年)から選をさせていただきます。比奈夫さんは大正6年(1917年)生まれということで、おんとし百二歳。おそらく、来年も再来年もまた続…
冬至を過ぎると、すっかり年の瀬です。流れゆく大根の葉のはやささながら時が過ぎていきます。このところ、俳句といえば岩波新書から刊行された『大岡信「折々のうた」選 俳句 』しか読んでおらず、この連載もしばらくあいてしまいまし…
四十代最後の一年となりました。この十年を振り返ってみると、人並みにいろいろとありました。人によっては、自身の人生を句材にするようなことはしない、という方もいるでしょう。しかし、そういう人であっても、時間と無縁に生きられる…
浮寝して仲間に入れて貰ひけり 西村麒麟の句集『鴨』の最後に置かれた句である。うれしいような、さみしいような不思議な余韻のある句である。高野素十の〈水尾ひいて離るる一つ浮寝鳥〉の裏をとったような句だが、俳句で浮寝鳥といえば…
11月21日は波郷忌。深大寺に吟行しにいくたび、お墓に挨拶にいきます(ついで申し訳ないのですが)。深大寺から神代植物園に抜けていく道を左に折れていくと墓地があり、その中央付近に「石田波郷」と彫られた小さなお墓があります。…
十年といっても、さまざまな十年があるものです。十年という単位に意味があるわけではないですが、区切ってみることで見えてくるものがあるから不思議です。 今回は、高橋睦郎さんの句集『十年』から二十句を選ばせていただきました。句…