ひとひらを家鴨の背に花嵐 飴山實
桜の花はその散り様の美しさから潔く死ぬことの美学に使われることがありますが、万葉学者の中西進によれば、万葉集ではそのような意味は薄く、むしろ桜は「不死」の象徴であったそうです。簡単にいうと、桜は花開くとそのありあまるエネ...
桜の花はその散り様の美しさから潔く死ぬことの美学に使われることがありますが、万葉学者の中西進によれば、万葉集ではそのような意味は薄く、むしろ桜は「不死」の象徴であったそうです。簡単にいうと、桜は花開くとそのありあまるエネ...
先日、長池講義の第四回目を聴講してきました。その日は、わが俳句結社の北鎌倉吟行会と同じ日で悩みましたが、その前の週に単独で北鎌倉を吟行し、当日は長池講義へ参加したのでした。 長池講義の第一部は、法学者の苅部(直)さんによ...
杏の花が咲く春を迎えて、山はぬくめられた水分によってゆらゆらと動き始める。人の気持ちも同じように動き出します。生活においても、都心に出てくる人、また故郷に帰る人と、移動の多い頃でもあります。杏の花が咲き乱れる山のふところ...
※書き直しました。 湿った土の匂いまでしてくるような気持ちのよい一句です。この句の季語は、もちろん田植えです。雪解け水がたゆみなく流れ、生きものたちの動きも活発になってきた、雪国の初夏。田んぼにも水がはられ、鏡のようにあ...
この句もまた、飴山實の皮膚の浸透力を感じさせてくれる一句です。夏の芒は青々しているが、秋になると芒は金色に変わる。「刈らんとて」というのは、月見のために芒原に分け入って刈り取ってこようというのでしょう。風にたなびく芒がし...
この句の中心は何処にあるか。蟻も目高も夏の季語ですが、焦点は蟻のほうにあっているので、たしかに蟻のほうに重心があります。分類するときは、蟻の句でいいのだろうと思います。しかし、蟻の重さをとらえているのは、へこんだ水の表面...
桃の節句は、女性の節句であるということを忘れてはいけません。春は女性がもっとも女性らしく輝く季節です。万葉集にも大伴家持の有名な歌、〈春の苑(その)紅(くれなゐ)匂ふ桃の下照る道に出で立つ少女(をとめ )〉があります。満...