一句鑑賞/長谷川櫂 冷やかに身にしみわたる今朝の水 長谷川櫂 Posted on 12 11月, 2009 by ちかた / 0件のコメント 秋が深まると、朝晩の気温は急に下がる。朝になって、一夜にして冷たくなっているものに気づかされることがある。水もそのひとつだ。この句は、飴山實の〈水そのままに胃に降りてくる寒さかな〉という句と比べてみると面白い。冬の寒さの中で縮こまった体には、水の沁み込むようなゆるみがない。しかし秋は違う。水は胃に降りれば、たちまちその冷たさを体に伝えていく。冷ややかさとともに、秋の終わりを五臓で感じる一句。 ※古志HPの「今日の一句」の11月6日掲載分です。 冷やか、秋、長谷川櫂 ちかた ちかた の投稿をすべて表示