真白な山また山や春動く 長谷川櫂
雪に覆われた山々が折り重なるようにみえる。いわば、この句は「白」のグラデーションだけで描かれている。微妙な白だけの陰影は波のように確かに息づいているかのようである。作者はそこに春の気配を感じたのだ。 古代の神々の世界のよ...
雪に覆われた山々が折り重なるようにみえる。いわば、この句は「白」のグラデーションだけで描かれている。微妙な白だけの陰影は波のように確かに息づいているかのようである。作者はそこに春の気配を感じたのだ。 古代の神々の世界のよ...
「ぬばたまの間」とは、木々の間にひらけた闇夜の空だろう。そこに夏の到来を告げるホトトギスの鳴き声が響き渡っている。その声をきいていたら、一夜が過ぎてしまったというのだ。 掲句を一読すると、あの『万葉集』を編纂した大伴家持...
情け容赦のない現実を前にして、作者はこのように詠んだのだろう。 東日本大震災が起きた当時の感覚や気分は、すでにだいぶ薄れてしまっているが、この句を読んでかすかに甦ってくるものを感じる。 救いようのないものを目の当たりにし...
南禅寺は、京都市左京区に位置する臨済宗の禅寺。有名な山門(三門)は、「天下龍門」とも呼ばれ、日本三大門の一つである。高さが二〇メートル以上あり、楼上からは京都市街を一望できる。歌舞伎『楼門五三桐』では、石川五右衛門が「絶...
「涅槃」という季語を使って俳句を詠む場合、大きく分けて、涅槃会や涅槃の日を詠む場合と涅槃像や涅槃図を詠む場合とがある。後者では、涅槃像や涅槃図が釈迦入滅の様子を表現しているように、釈迦入滅すなわち涅槃そのものを俳句に詠む...
この句は、蛙の声を呼んでいるというだけでなく、言葉の連なりとしても聴覚的な句である。上五中七の「KenKonno KoKoni yoKiKoe」と書くとわかるが、K音がリズミカルに配置されている。 聴覚を刺激されるのは、...
地球の内部は、地殻、マントル、核と中心に近づくにつれて高温になる。核は溶けた鉄の塊。その温度は6000度にもなるという。マントルは岩石の層で、核に熱せられ、地殻付近では冷され、内側から外側へ、外側から内側へゆっくり対流し...