テレビから太鼓がはじけ初落語 飴山實

いまにも落語家が出てきそうな句です。いうまでもなく、出囃子の太鼓です。落語のお囃子は、太鼓、笛、そして三味線などで奏ずるわけですが、そもそもは上方からのものらしいです。中七の「太鼓がはじけ」が見事です。これから面白いことが始まるぞ、という気持ちにさせてくれます。さらに、この勢いを「初」という言葉がさらにはずみをつけてくれます。もちろん、「テレビ」という意外な変化球から入る上五の出だしも面白いです(もはやテレビという言葉同様に、テレビそれ自体が人々の生活のなかで果してきた役割が変わってしまったんだなということも、逆にこういう句を読んで思い知らされます)。しかし、飴山實にこんなに弾けた句があったとは、驚きです。

1件のコメント

  1. 私はそれでとても驚いています。それは私の研究のためには良いことです。ありがとう。 ^ _ ^

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