花筏やぶつて鳰の顔のぞく 飴山實
鳰(にお)とはカイツブリのことです。通常、鳰は冬の季語になりますが、ここでは主の季語が花筏(はないかだ)なので、春の鳰です。この句は、池一面を覆う桜の花びらの下から、鳰がひょいと顔を出す、その瞬間を詠んでいます。鳰は潜水...
鳰(にお)とはカイツブリのことです。通常、鳰は冬の季語になりますが、ここでは主の季語が花筏(はないかだ)なので、春の鳰です。この句は、池一面を覆う桜の花びらの下から、鳰がひょいと顔を出す、その瞬間を詠んでいます。鳰は潜水...
白藤が春風に揺られるときは、たしかに目に映る色は白だったはずなのに、それが止んだとたんに、その花びらの白の奥に緑が微かに見える。はっとして、その色に気づくもつかの間、またすぐに藤は揺れて白の残像にひきづられた花となる。つ...
この句の特徴を一つ指摘したいと思います。それはこの句が「対句」であるということです。つまり、対句はことわざや、とりわけ漢詩によく見られる、二つで一組の韻文形式です。つまり、語呂の近い言葉を対にして並べるわけです。もちろん...
日が長くなってくると春を感じます。冬あいだ中、しんとしずまりかえった世界にあった生きものたちが、春の気配を感じながら徐々に動きをとりもどす。おそらく、この句もそのような瞬間をとらえたのだろうと思います。永き日とは、つまり...