時空ありすこしはづれてちよろぎあり 大谷弘至
ちょろぎとは、おせち料理の黒豆の上にちょこんとある、赤くて小さい芋虫のような形をした、あれである。確かにどこか不可思議な存在感がある。時空すなわち時間と空間は、古代から哲学や科学の対象となってきたし、今なお謎が大きい。一…
ちょろぎとは、おせち料理の黒豆の上にちょこんとある、赤くて小さい芋虫のような形をした、あれである。確かにどこか不可思議な存在感がある。時空すなわち時間と空間は、古代から哲学や科学の対象となってきたし、今なお謎が大きい。一…
聞こえないものを聞き、見えないものを見、そして言葉にできないものを言葉にする、それが俳句である。この句の眼目はまさにそこにあるのではなかろうか。蚯蚓はもちろん鳴かない。しかし、俳句ではその声を確かに聞くことができる。この…
無気味にしてユーモラスな貝の姿がありありと目に浮かぶ。蛤のような二枚貝であろうか。腹も腸さえもさらけ出してやってくるかのようで、どうもこの世のものではなさそうである。松瀬青々の〈貝寄せや愚かな貝も寄せてくる〉という句があ…
日本は雪の降る国です。海外からすると、雪は日本観光の対象でもあります。沖縄や八重山にも降雪記録がありますが、雪を観に訪れるなら「雪国」でしょう。 雪国という言葉は、東北や北陸の冬の山国をイメージさせます。この言葉は比較的…
句集『鶯』は、長谷川櫂の第十句集にあたる。あとがきの日付をみると、二〇一一年の立春とある。句集の刊行は、五月三〇日である。その間に三・一一、東日本大震災が起こっている。おそらく、四月に刊行となった『震災歌集』の制作のた…
ぽつねんと夜空に浮かぶ月をしばらく見ていると、不思議な気持ちになることがあります。それは、月が不思議なものに見えるということではありません。あの月が存在するように、この地球が存在し、そしてこの私も存在している。そのこと自…