切妻の家たちならぶ桔梗かな 長谷川櫂

良寛の故郷、出雲崎で詠まれた句。桔梗のように青く澄みきった秋の空が思い浮かぶ。切妻(きりづま)とは、大棟から二面を左右にふきおろす屋根の造り。桔梗は紙風船のように貼り合わさった蕾で、花びらがひらいても折り重なることがない。一方は大きな人工物であり、もう一方は小さな自然の花であるが、幾何学的な形状にして、どことなく響き合うリズムが感じられる。

※古志HPの「今日の一句」の8月17日掲載分です。

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